【似て非なる言葉】 的を射る と 的を得る の違い

実は、誤用ではないかもしれない説

ひと昔辺りから論争が絶えなかったこの問題。

本来、『 的 』そのもの自体の意味や定義を考えれば、その使い方が正しいのかどうかなどは、想像に難くないはず。

 

では一度、『 的を射る 』をバラバラにして考えてみる。

 

・『 的 』という言葉は、

  1. 標的
  2. 物事の目標。めあて。
  3. 物事の要点。核心

 

・『 射る 』という言葉は、

  1. 弓に番えた (つがえた) 矢を放つこと。
  2.  (矢や弾丸などが) 的に当たること。
  3. 目標物に当てる。しとめること。
  4. 決定的な影響を与えること。

という意味でそれぞれ使われ。主に 当たる や 当てる という見方が強い言葉。

・『 的を射る 』という言葉は、

  1. うまく目標に当てること。
  2. うまく要点をつかむ。核心をつく。

という意味なので、普段から使用している字義で直訳してみても、だいたい合っていると思われる。

 

一方、『 的を得る 』はどうだろうか。

・『 得る 』という言葉は、

  1. 獲得する。自分のものにすること。手に入れること。
  2. 賛同を受けること。許諾を受けること。
  3. 理解する。

という意味で使われ、特に[受け取る][手に入れる]といった見方が強い言葉。
つまり、これを直訳すると、

『 的を得る 』= 的を手に入れること。

ということになる。

これではちょっとよく意味が分からない、というか通じない。

結果、『的を射る』は正しく『的を得る』は誤用だと、そう思われてきた。

 

…しかし

 

「 その言葉は解釈によっては意味がも通じる 」と述べた者がいたことで、議論が始まったという。

 

その内容は、

「『 要領を得る 』という言葉の解釈を鑑みれば、同じ言葉なので同様の解釈が成り立つ」と言い放った。

・『 要領を得る 』という言葉は、

要領を得る = 要点をしっかり捉えている。

なのだから、[得る]を[捉える]という形で使用しているのならば、

的を得る =  要点を的確に捉えている。

という解釈になっても、何ら おかしくはない のだという。

 

…なるほど。それは確かに一理あると思う。

 

正直この記事を書くまでは ゴリゴリの反対派 だったが… 心なしか今はそうでもない。

今後その言葉を耳にした時、「絶対に訂正を願い出ない」かといえば少々怪しい所だろう。しかし、少なくとも “ 意味は理解した “ つもりだ。

私が使用するようになるには、まだもうちょっと先の話だとは思うが、もしかしたら普通に口走っている日が来ることはそう遠くないかもしれない。

 

ただ、この記事を書いた段階では《広辞苑》や《大辞林》など、言葉を調べる為の辞典の中に、『 的を得る 』という言葉は掲載されていないという事が一つ。(ごく一部の辞典のみ掲載あり)

加えて、報道関係の界隈 (かいわい) においても、大半の企業が 余計なクレーム を避ける意味でも『 的を得る 』という言葉は使用していない、ということだけは一応記述しておく。

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